10月16日(金)よりGallery Seekにて初めて個展を開催される、大橋周平(オオハシシュウヘイ)先生。お話をお聞きしました!
–制作のコンセプトを教えてください。
自分の思う美しく、妖艶で強い女性をいかに表現するか。
女性は、あくまで主観ですが、男性とは違う強さ、魅力、美しさ等、複雑なものが多岐にわたって混在していて興味深いなと思っています。
そういったものが作品からにじみ出てくるような作品を描きたいです。
また、今回は自身にとって初個展ですので、元から描きたいと思っている「妖艶美」をテーマにしています。
作品によって古代の女神など、自分のイメージに合えば取り入れたりします。
例えば、今回の出品作「anatu」は愛と戦いの女神の名前です。
ウガリット神話に登場する女神で、主神バアルの妹です。愛と戦いの女神であり、狩猟や豊穣の女神でもあると考えられています。
少し好戦的な目元にしてみました。
–大橋先生が現在の作風に辿り着くようになったきっかけなどはありますか?
特にきっかけというものはないですが、単純に美しいとかミステリアスだとか美を描きたい…という事で辿りついた気がします。
描く時は、楽しい時もありますが、もちろん辛い時もあります。
筆を走らせていて、上手くいきそうな時は気分も乗っていて気持ち良いですね。
僕の作品は正確さが大事なので、顔のパーツなど1ミリでもずれると表情が変わってきてしまいます。
その時によって本当に一喜一憂します。
女性像以外にも静物や猫も描きますが、それぞれ違った魅力がありますね。
静物は色々なモチーフを組み合わせるのが面白いですし、猫はとにかく人物と違い毛が大半なのでそこの表現に苦戦したりと…気持ちの持ちようも様々です。
でも、もっと上手くなりたいという気持ちがモチベーションにも繋がっているので描けているんだと思います。
–作品のどんな所を見てほしいですか?
顔です。顔の中でも目ですかね。
目は、言葉では言えない言葉が表れているかもしれないと感じています。
喜怒哀楽もその中には表れると思っていますし。
こだわりも、その作品の女性の様々な表情にこだわりを持っています。
–表情はこちらをじっと見ている視線のものが多いですよね。
目にこだわりがあるというのもうなずけます。
目というのは、一番意思を伝えやすい部分だと思っているんですよね。
目で何かを語るとも言いますし…。
表情も、様々な作品がありますが、外見からも内面からもにじみ出る優しさ、慈愛、悲しみ、強さなどを見る方によって感じて頂けたら嬉しいです。
「たたずまい」SM
–モデルさんは何人か決まった方がいらっしゃるのでしょうか?
そんな事はありません。
モデルさんは常に募集中ですね。
モデルをして頂けるだけでもありがたいですし、その方によって色んな魅力があるのでその度に新たな発見もあります。
–作品のイメージはどのように浮かんでくるのでしょうか?
根本的なテーマ(妖艶美)は同じですが、基本的にはモデルさんがいて、撮影させて頂きます。
何パターンか自分の中で良いなと思った写真を選びます。
そこから色々なポーズや背景を組み合わせて、いつの間にかイメージが固まってくるという感じです。
現場主義で描きたい想いもありますが、まだ現実的には厳しい部分もあるので追々していきたいですね。
–作家を志そうと思ったのはいつ頃ですか?
絵はいつも描いていたわけではいないですが、小さい頃から得意ではありました。
年賀状などの漫画の絵を描いて、出したりしていましたね。
中学卒業の頃に密かに画家になるぞと思っていましたが、田舎故画家になるということ自体が理解されませんでした。
なので誰にも言わず一人で足掻いてきました(笑)
–ご出身は静岡県ですよね。現在は東京にお住まいですが、上京されたきっかけなどがあったのでしょうか。
実は東京は4〜5年前に来たばかりなんです。
田舎だと美術館やギャラリーが少なく、情報が遅いなと感じていた部分がありました。
また、美大出身というわけではないので、技術を磨きたいと思い、師匠である画家の三嶋哲也先生の教室に通いました。
三嶋先生には様々な事を教えて頂きました。
先生が開発された筆やヴィーナス油絵の具も作品に取り入れたりしています。
–技法として、何故油彩を選ばれたのでしょうか?
元々、ルーベンスやブグロー、クリムトなどに影響を受けてきました。
初めて作品を見た時はその迫力に凄いなと魅せられました。
何百年も前にこんな技術を残したのも単純に凄いですよね。
その技術と、油彩ならではの濃密な描き方に憧れたのが始まりです。
–今回の個展の中で特に見てほしい作品を教えてください。
「女神」M10です。
表情が上手く描けて満足しています。
「女神」M10
–最後に、作品を観に来て下さる皆様に一言お願いいたします。
コロナ禍でまだまだ不安の中、足を運んで見に来ていただけること、とても嬉しく思います。
自分自身まだまだではありますが、その中でもベストを尽くしていいと思える作品を見ていただけるように頑張ります。
宜しくお願い致します。
大橋先生、ありがとうございました!
個展は10月16日(金)から10月25日(日)まで開催いたします。
新作10余点を是非ご高覧くださいませ。
「大橋周平 油彩画展 -妖艶美-」
10月16日(金)~10月25日(日)
会場:Gallery Seek
出品作家:大橋周平
作家来場日:10月16日(金) 13:00~17:00
10月17日(土)・24日(土) 15:00~17:00
究極の美を追い求め、女性像を制作する油彩画家・大橋周平。今回の個展では、初期より自身の中でテーマとしてきた「妖艶美」をサブタイトルとして作品を展示いたします。アンティークの椅子や、時に重厚なカーテンを背景に、熱いまなざしや妖艶なしぐさで佇む女性像。これらの構図や色合いは、ブグローやクリムトなど、西洋の古典絵画にも影響を受けた名残を感じさせます。彼にとって、女性は男性とは違う強さ、魅力、美しさ…複雑なものが多岐にわたって混在していて、その部分に惹かれると言います。そんな女性達は、画面の中で別の世界を生きているようでありながら、瞳は優しくこちらに語りかけてくれます。Gallery Seekでは初個展となる作家の力作を是非ご高覧下さいませ。