4月8日からGallery Seekにて田中ラオウ先生の個展を開催致します。
2014年、カリカチュア(人物の性格や特徴を際立たせるためにユーモアを交えて描く人物画)で世界王者となった田中ラオウ先生。その後は画家としても精力的に活動しています。絵画作品に込める想いやこだわりについてお話を伺いました。
田中ラオウHPより:カリカチュア作品
田中ラオウHP:https://www.raou-tanaka.com/about
■カリカチュアと絵画の二刀流
世界チャンピオンを目指すために始めたカリカチュアでしたが、2014年にその目標を達成したことがきっかけで、画家に転身しました。カリカチュアは技術的にとても高次元なものなので追求し甲斐があります。
絵画は思想や精神面が反映されるので、より作者の生き方に密接な表現かと思います。人としての成長が表現力の向上につながると信じています。
僕は絵の上手さというのは写実性だと思っています。いかにリアルに描けるか。
これは僕が幼少の頃から写真のような絵を上手い絵だと思ってきた事に起因しており、今でも技術的には写実性を高めて行きたいと考えて練習しています。
でも写実性の高い上手い絵が良い絵かと言うと、必ずしもそうではないと考えています。
写実性が全てだったら写真に勝るものはないですから。
僕は見る人の想像力を掻き立てる絵が良い絵だと思っています。
人は想像力を掻き立てられたい生き物だと思うんです。
なぜなら人は人生が想像力次第でどうにでもなる事を知っているから。
僕は絵に想像力を育んできてもらった人間なので、自分の絵が誰かの創造力に刺激を与えられるような画家になりたい。
イマジネーションをクリアに表現するためにはしっかりとした基礎技術が大切だと考えています。
技術不足のせいで自分の頭の中のイメージを十分に紙に表現しきれない時ほど悔しいことはありませんから。
また、基礎をおろそかにしないことは私にとって自分を活かしてくれる絵に対する最低限のマナーであり、誠実さだとも考えています。
力のある作品を目指して、日々絵を描いています。
■今回の個展テーマ
『鼓舞』が制作全体のテーマです。理不尽が多い世の中ですが、ネガティブな感情だけでは物事は動きません。何かを変えるために勇気を持って立ち上がった人達の背中を押せるような絵を描きたいと思い日々制作に勤しんでいます。
■『余白』が生み出す想像力
動物をモチーフとして描いているのは、生き方の純粋性や動きの躍動感に魅力を感じるからです。自分が社会に馴染むために分厚く着込んでいた鎧は、画家としては不要なものと考えたので、それをまず脱ぐためにも純粋な生命をモチーフにする必要がありました。
また動物の視線の先や具体的なモチーフを描いていない『余白』に生き物の息遣いや動きの余韻が感じられるように描いています。
鑑賞者が絵に描かれた勇ましい動物を見て、自分を投影させたり、自分が置かれている状況に照らし合わせて心が奮い立つような感覚を覚えてくれると嬉しいです。
田中先生、ありがとうございました。
個展は4月8日(金)~14日(木)まで開催しております。
4月9日(土)・10日(日) 各日13:00~17:00は田中先生もご来場予定です。
この機会に是非ご高覧くださいませ。
「田中ラオウ展 -鼓舞-」
4月8日(金)~14日(木)
会場:Gallery Seek
出品作家:田中ラオウ
作家来場日:4月9日(土)・10日(日) 各日13:00~17:00